忙しい日でもOK!食品ロスを減らす暮らしの工夫と節約術
はじめに:食品ロスは身近な課題
日々の忙しい生活の中で、気づくと冷蔵庫の奥で野菜がしなびていたり、買ったことを忘れて食品の賞味期限が切れてしまったりすることはありませんか。これは「食品ロス」、つまりまだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。
食品ロスは、単にもったいないだけでなく、実は地球環境にも大きな影響を与えています。そして、何よりも家計にとって無駄な出費となってしまいます。
この記事では、忙しい毎日を送る中でも、無理なく、経済的な負担をかけずに家庭で食品ロスを減らすための具体的な方法をご紹介します。ちょっとした工夫で、節約にもつながり、さらにSDGs(持続可能な開発目標)への貢献にもつながる、一石二鳥、三鳥の取り組みです。
家庭でできる食品ロスを減らす具体的な工夫
1. 買い物に行く前の準備
食品ロスを防ぐ最初のステップは、買い物の前にあります。
- 冷蔵庫・パントリーのチェック: 何が残っているか、使い忘れそうなものはないかを確認しましょう。スマートフォンのカメラで写真を撮っておくと、お店で確認する時に便利です。
- 献立の計画: 1週間程度の献立をざっくりとでも考えておくと、必要な食材だけを買うことができます。
- 買う量を考える: 安いからといって大量に買いすぎると、使いきれずに傷んでしまうことがあります。必要な量だけを買うように心がけましょう。バラ売りや量り売りを上手に活用するのも良い方法です。
2. 上手な保存方法
買ってきた食材を長持ちさせることで、食品ロスを減らすことができます。
- 野菜の適切な保存:
- 葉物野菜:湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて立てて保存すると鮮度が保たれやすいです。
- 根菜類:土がついたまま新聞紙に包んで冷暗所に置くのが一般的ですが、カットしたものはラップをして冷蔵庫へ。
- きのこ類:パックから出し、キッチンペーパーに包んで保存すると湿気による傷みを防げます。
- 冷凍保存の活用:
- 肉や魚は、購入後すぐに一回分ずつ小分けにしてラップし、冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。空気をしっかり抜くのがポイントです。
- 使いきれない野菜(きのこ、ネギ、人参など)も、カットしてから冷凍しておくと、味噌汁や炒め物に使えて便利です。
- ご飯も一度に炊いて小分け冷凍しておくと、忙しい日の食事の準備が楽になります。
- 乾物や加工食品の管理: 開封後の食品は、密閉容器に移し替えるなどして湿気を防ぎ、表示された方法で保存しましょう。
3. 調理での工夫
食材を無駄なく使い切るための調理法を実践しましょう。
- 「もったいない」を活用:
- 野菜の皮やヘタ:きれいに洗えば、きんぴらにしたり、スープのだしに使ったりできます。大根の葉やかぶの葉なども炒め物に使えます。
- 肉や魚のあら:だしを取るのに活用できます。
- リメイクレシピ:
- カレーやシチューの残り:ドリアやカレードッグ、リメイクシチューに変身。
- ポテトサラダの残り:コロッケのタネにするなど、少し手を加えることで飽きずに美味しく食べきれます。
- 使い切りレシピ: ハンバーグの玉ねぎの端切れ、野菜炒めに残った半端な野菜など、少量ずつ残った食材を使ったレシピを覚えておくと便利です。インターネットで「使い切りレシピ」と検索するとたくさんのアイデアが見つかります。
4. 食べきる習慣をつける
作った料理は美味しく食べきることが一番大切です。
- 作りすぎに注意: 家庭での食事は、食べる人数や量を考えて作ることで、食べ残しを減らすことができます。
- 食べ残しを減らす工夫: 大皿ではなく、一人分ずつ盛り付けるようにすると、食べ残しを減らしやすくなります。
- 翌日の食事に: もし食べ残してしまった場合は、適切に保存して翌日の食事やお弁当に活用しましょう。
食品ロス削減とSDGsの関係
私たちが家庭で食品ロスを減らす努力は、SDGsの目標達成に直接つながっています。特に目標12「つくる責任つかう責任」のターゲット12.3では、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の食品ロスを半減させ、生産・サプライチェーンにおける食品ロスを削減する」ことが掲げられています。
食品ロスを減らすことは、食料生産にかかる土地や水、エネルギーといった資源の無駄をなくすことになります。また、捨てられる食品が減れば、焼却や埋め立ての際に発生する温室効果ガスの削減にも貢献できます。
私たちの家庭での小さな行動一つ一つが、地球全体の持続可能な未来に繋がっているのです。
まとめ:今日から始める食品ロス削減
食品ロス削減は、特別なことではありません。いつもの買い物の仕方や、冷蔵庫の使い方、調理の仕方を少し工夫するだけで、誰でも今日から始めることができます。
ご紹介した工夫は、どれも難しいものではなく、すぐに実践できるものばかりです。そして、これらの工夫は食品を無駄にしないだけでなく、食費の節約にもつながります。さらに、子供と一緒に食材を大切にすることや、計画的にものを使うことについて学ぶ良い機会にもなります。
「完璧にやらなければ」と気負う必要はありません。まずは一つ、二つできることから始めてみましょう。続けるうちに、自然と食品ロスが減り、家計にも環境にも優しい暮らしへとつながっていくはずです。
この記事が、あなたの「はじめるSDGsライフ」のヒントとなれば幸いです。