【今日からできる】食卓で始めるSDGs 地産地消と旬の選び方ヒント
はじめに：毎日の食卓からSDGsをはじめてみませんか
SDGsと聞くと、少し難しそうに感じたり、「特別なことをしないといけないのでは」と思われたりするかもしれません。もちろん、世界中で取り組むべき大きな課題も含まれています。
でも実は、SDGsの目標達成に繋がる行動は、私たちのとても身近なところにあります。例えば、毎日の「食卓」です。
普段、何気なく選んでいる食材。その選び方を少し工夫するだけで、環境を守ること、地域を応援すること、そして家計にも優しいことなど、様々な良いことに繋がる可能性があるのです。
この記事では、「地産地消」と「旬の食材」という2つのキーワードに焦点を当て、毎日の食卓から手軽に始められるSDGsアクションとそのヒントをご紹介します。特別な知識は必要ありません。ぜひ、できることから気軽に取り入れてみてください。
食卓から始めるSDGsアクション：「地産地消」とは？
地産地消がSDGsに繋がる理由
「地産地消（ちさんちしょう）」とは、その地域で生産された農産物や水産物などを、その地域で消費することです。これは日本の食料自給率の向上や地域の活性化を目指す取り組みとして知られていますが、実はSDGsとも深いつながりがあります。
- CO2排出量の削減（目標13：気候変動に具体的な対策を） 遠くの産地から運ばれてくる食材に比べ、近くの産地から運ばれる食材は、輸送にかかるエネルギーやCO2排出量を減らすことができます。
- 地域経済の活性化と雇用（目標8：働きがいも経済成長も） 地元の生産者から直接、あるいは地元の流通を通して購入することで、地域の農業や漁業、関連産業を応援することに繋がります。これは地域の雇用を守り、経済を活性化させることになります。
- 新鮮さとフードロスの削減（目標12：つくる責任つかう責任） 新鮮な食材は、傷みにくく、美味しさも長持ちします。これにより、家庭での食品ロスを減らす助けにもなります。また、生産者と消費者の距離が近いことで、需要に合わせた生産や販売がしやすくなり、流通過程での食品ロス削減にも繋がる可能性があります。
どうやって地元の食材を見つける？
では、実際に地元の食材はどこで手に入れることができるでしょうか。
- 地域の直売所や道の駅: 生産者さんが直接販売している場合が多く、新鮮な食材が手に入りやすい場所です。生産者さんの顔が見える安心感もあります。
- 地元のスーパーマーケット: 地域によっては、「地産地消コーナー」や「地元産」と表示されたコーナーを設けているスーパーがあります。表示をよく見てみましょう。
- 生産者から直接購入: オンラインストアや宅配サービス、または地域のイベントなどで生産者さんから直接購入できる機会もあります。
- 契約農家や産地直送サービス: 少し踏み込むなら、特定の農家さんと契約したり、地元の産地直送サービスを利用したりする方法もあります。
地産地消を無理なく取り入れるヒント
- まずは、お住まいの地域やよく行くスーパーに「地元産」の表示があるか意識してみましょう。
- 週に一度、「地元産デー」を決めて、何か一つでも地元の食材を買ってみるのも良いかもしれません。
- 地域の直売所や道の駅を、週末のお出かけ先の一つに加えてみるのも楽しいでしょう。お子さんと一緒に「この野菜はどこから来たのかな？」などと話しながら選ぶのも学びになります。
食卓から始めるSDGsアクション：「旬の食材」とは？
旬の食材がSDGsに繋がる理由
「旬（しゅん）」とは、食材が一年の中でもっとも美味しく、栄養価が高く、たくさん収穫できる時期のことです。旬の食材を選ぶことも、SDGsに貢献する行動です。
- 環境への負荷軽減（目標12：つくる責任つかう責任、目標13：気候変動に具体的な対策を） 旬の時期は、その作物が本来持っている力で育ちやすいため、過度な温度管理や水やり、農薬の使用などを減らすことができる場合があります。これにより、エネルギー消費や環境への負荷を抑えることに繋がります。
- 経済的なメリットと生産者の支援（目標8：働きがいも経済成長も、目標1：貧困をなくそう） 旬の時期は収穫量が多くなる傾向があるため、価格が安定しやすく、比較的安価に手に入ることがあります。これは家計の助けになります。また、旬の時期にたくさん消費することは、生産者さんの安定した収入にも繋がります。
- 豊かな食文化と栄養（目標3：すべての人に健康と福祉を） 旬の食材はその時期にもっとも栄養価が高いと言われています。旬を意識した食事は、家族の健康にも良い影響を与えます。また、日本の四季折々の旬を味わうことは、豊かな食文化を次の世代に伝えることにも繋がります。
どうやって旬の食材を見つける？
では、旬の食材はどのように見分ければ良いでしょうか。
- スーパーの青果コーナー: 旬の食材は陳列の中心にあったり、「今が旬！」といったポップがついていることがあります。また、価格が手頃になっていることも多いです。
- 魚屋さんや鮮魚コーナー: 魚介類にも旬があります。お店の方に尋ねてみるのも良いでしょう。
- 季節の食材カレンダー: インターネットで検索すると、旬の野菜や果物、魚介類のカレンダーを見つけることができます。
- 身近な自然や地域の情報: 近所の畑の様子や、地域の広報誌、農産物直売所の情報なども参考になります。
旬の食材を無理なく取り入れるヒント
- まずは、今よく食べている野菜や果物が「いつが旬なのだろう？」と調べてみましょう。
- スーパーで「これは旬かな？」と意識しながら買い物をしてみましょう。
- 献立を考える際に、「今月は何が旬だろう？」と考えて、一つでも旬の食材を取り入れてみるのも良い方法です。
- お子さんと一緒に「春になったから〇〇がおいしいね」「夏野菜は色が鮮やかだね」など、季節と食材を結びつけて話すのも、食への関心を深める良い機会になります。
地産地消と旬を組み合わせる相乗効果
地元の旬の食材を選ぶことは、まさに「地産地消」と「旬」の良いところを組み合わせる素晴らしいアクションです。
地元の畑で採れたばかりの旬の野菜は、輸送距離が短く、鮮度も抜群。環境への負荷を抑えつつ、一番美味しい時期の栄養を無駄なくいただくことができます。そして、それはそのまま地元の生産者さんを応援することにも繋がります。
すべてを地産地消や旬の食材にするのは難しいかもしれません。でも、週に一度、一つでも良いのです。お味噌汁に入れるネギを地元産にしてみる、週末に旬の果物を買う、など、小さなことから始めてみてください。
まとめ：あなたの食卓からSDGsの輪を広げましょう
毎日の食卓は、私たちの体を作り、家族との大切な時間を過ごす場所です。そして同時に、持続可能な社会を作るための第一歩を踏み出せる場所でもあります。
「地産地消」と「旬の食材」を選ぶというシンプルな行動は、地球環境を守り、地域を元気にし、私たちの健康や家計にも良い影響を与えます。そして、そのことについてお子さんと話す時間は、将来世代にとって大切な学びとなります。
難しく考えず、まずは「今日の買い物で、地元産のものがあるかな？」「今月は何が旬かな？」と意識を向けてみてください。あなたの小さな選択が、SDGsの達成に確実に繋がっています。
一歩ずつ、無理なく、あなたのペースで、豊かな食卓からSDGsを始めてみましょう。