毎日のスマホ・PC利用で始めるSDGs 無理なくできるヒント
私たちは日々の生活の中で、スマートフォンやパソコンといったデジタル機器を当たり前のように使っています。これらの機器は私たちの生活を便利にしてくれる一方で、その製造や利用、そして廃棄の過程で環境に少なからず負荷を与えていることも事実です。
しかし、少しだけ使い方を工夫するだけで、これらのデジタル機器との付き合い方がSDGsの目標達成に貢献することに繋がります。しかも、それは決して難しいことではなく、毎日の暮らしの中で無理なく取り入れられることばかりです。中には、家計の節約にもつながるうれしいヒントもあります。
今回は、いつものデジタル機器の利用を通じて始められるSDGsアクションについて、具体的なヒントをご紹介します。
なぜデジタル機器とSDGsに関係があるのか
デジタル機器がSDGsに関わる主な理由はいくつかあります。
まず、機器を製造するためには、様々な希少な資源(鉱物など)が必要です。これらの資源を採掘し、加工する過程は環境に負荷をかけます。 次に、機器を使う際には電力が必要です。特にサーバーやデータセンターなど、大量の電力を消費する場所も存在します。 そして、機器が古くなったり壊れたりして廃棄される際(電子ごみ)、有害な物質が含まれていることがあり、適切に処理されないと環境汚染の原因となります。
このように、デジタル機器は私たちの暮らしに欠かせないものですが、そのライフサイクル全体を通して地球環境や社会に影響を与えています。だからこそ、私たち一人ひとりが賢く使うことが、SDGsの目標、特につくる責任・つかう責任を考える上で重要になるのです。
今日からできる!デジタル機器で始めるSDGsアクション
では、具体的にどのようなことができるのでしょうか。どれも、普段の習慣に少し意識を向けるだけで始められることです。
1. 充電方法を工夫する
スマートフォンやパソコンのバッテリーは、充電方法によって寿命が変わってきます。
- フル充電にこだわりすぎない: バッテリーを満タン(100%)にし続けるよりも、80%程度で止める設定を利用すると、バッテリーへの負荷が減り、寿命を延ばすことに繋がると言われています。
- 「ながら充電」を避ける: 充電しながら機器を使うと、バッテリーに熱がこもりやすく、劣化を早める可能性があります。
- 寝る前に長時間充電しない: 一晩中充電し続けると、満充電になった後も充電器に繋がった状態が続き、バッテリーに負担がかかることがあります。タイマー機能を使うなどの工夫も有効です。
バッテリーが長持ちすれば、買い替えの頻度を減らすことができます。これは資源の消費を抑えることに繋がり、SDGs目標12(つくる責任 つかう責任)への貢献になります。また、バッテリー交換費用や新しい機器の購入費用を抑えられるため、家計の節約にもなります。
2. 機器を大切に、長く使うための手入れをする
お気に入りのものを大切に使うように、デジタル機器も少しの手入れで長く使うことができます。
- 保護ケースや画面保護フィルムを使う: 落下などの衝撃から機器を守り、故障を防ぎます。
- 定期的にソフトウェアをアップデートする: 機能改善だけでなく、セキュリティ強化や動作効率の向上にもつながり、機器の性能を維持できます。
- 不要なデータやアプリを整理する: ストレージ容量を確保し、動作を快適に保つことで、機器の寿命を延ばす一助となります。
機器を長く使うことは、新しい製品の製造に伴う環境負荷を減らすことに直結します。これもSDGs目標12の達成に貢献する大切なアクションです。そしてもちろん、新しい機器を購入する費用を節約できます。
3. 古くなった機器の適切な処分・再利用を考える
どうしても機器が使えなくなった場合、そのまま捨ててしまうのではなく、適切な方法で処分したり、再利用を考えたりすることが重要です。
- 自治体のルールに従って処分する: 小型家電のリサイクル回収が行われている場合があります。お住まいの自治体のホームページなどで確認してください。
- メーカーや専門業者の回収・リサイクルプログラムを利用する: 一部のメーカーや電気店では、使えなくなった機器の回収を行っています。
- まだ使える部分は再利用・リユースする: まだ機能する機器であれば、専門業者に買い取ってもらったり、フリマアプリなどで譲ったりすることも、資源の有効活用に繋がります。
適切に処分・リサイクルすることで、機器に含まれる有害物質が環境に漏れ出すのを防ぎ、貴重な資源を回収して再利用することができます。これもSDGs目標12に大きく貢献する行動です。
4. 画面の明るさを調整する
少し地味なことですが、画面の明るさを必要以上に明るくしないことも、電力消費を抑える小さな工夫です。自動調整機能を利用したり、手動で快適な範囲に調整したりすることで、電力消費量の削減に繋がり、SDGs目標7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)や目標13(気候変動に具体的な対策を)への貢献となります。これは電気代の節約にも繋がる可能性があります。
まとめ
デジタル機器は私たちの生活に欠かせないものであり、SDGsの様々な目標達成にも貢献する可能性を秘めています(教育へのアクセス向上、情報共有など)。一方で、その物理的な側面においては、資源消費や環境負荷といった課題も抱えています。
今回ご紹介した充電方法の工夫、機器を長く大切に使うこと、適切な処分や再利用を考えること、そして電力消費を抑えることといったアクションは、どれも日々の暮らしの中で少し意識するだけで始められる、無理のないSDGsへの取り組みです。
これらの小さな一歩が、資源を大切にし、環境への負荷を減らすことに繋がり、結果として私たちの暮らしや未来、そして地球全体の持続可能性に貢献します。
ぜひ、今日からできることから一つでも試してみていただけたら嬉しく思います。