【無理なくできる】ベランダからはじめる小さなSDGs 生き物と共生するヒント
ベランダで始める、身近なSDGsアクション
私たちの身の回りには、たくさんの生き物が暮らしています。鳥や虫、植物など、意識してみると意外と多くの生命が存在していることに気がつくものです。SDGsには、「陸の豊かさも守ろう」という目標15があります。これは、森や川、そして私たち人間の生活圏も含めた陸上の生態系を守り、多様な生き物たちが豊かに暮らせるようにすることを目指すものです。
「壮大な目標で、自分には関係ないことのように感じる」と思われるかもしれません。しかし、実は私たちの身近な場所、たとえば庭やベランダでも、この目標に貢献できることがあります。今回は、忙しい毎日の中でも無理なく、手軽に始められるベランダでのSDGsアクションをご紹介します。
なぜベランダで生き物を大切にするのか
街中に暮らしていると、自然との触れ合いが少なくなりがちです。ビルや住宅が増え、道路が整備されるにつれて、生き物たちが暮らせる場所はどんどん減っています。
ベランダは、そんな都市の中で生き物たちが一時的に立ち寄ったり、命をつないだりできる貴重な小さな自然空間になり得ます。ここに、少しだけ生き物のための環境を整えてあげることで、身近な自然を守り、地球全体の豊かな生態系を支える小さな一歩につながるのです。
難しく考える必要はありません。まずは、ベランダを訪れる小さな生き物たちに目を向けることから始めてみましょう。
ベランダでできる、具体的なSDGsアクション
ベランダという限られたスペースでも、少しの工夫で生き物が喜ぶ環境を作ることができます。無理なく、楽しみながらできるアイデアをいくつかご紹介します。
1. 生き物が来る植物を育てる
植物は、虫や鳥にとって食べ物になったり、隠れ家になったり、命をつなぐ大切な場所です。ベランダで植物を育てることは、手軽にできる環境づくりの一つです。
- 育てやすい植物を選ぶ: ミニトマトやバジル、ミントなどのハーブ類は、育てるのが比較的簡単で、料理にも使えて一石二鳥です。花を咲かせる植物は、ミツバチなどの益虫を呼び寄せやすくなります。
- 日本の在来種も検討: その地域にもともと自生している植物(在来種)は、そこに暮らす生き物たちにとって利用しやすいことが多いです。地域の園芸店などで相談してみるのも良いでしょう。
- 農薬や化学肥料は避ける: 生き物への影響を最小限にするため、できるだけ化学合成された農薬や肥料を使わないように心がけましょう。病気や害虫は、早期発見と物理的な除去(手で取り除くなど)で対応できることもあります。有機質の肥料や堆肥を使うのがおすすめです。
2. 小さな水場を用意する
鳥や虫は、水を求めています。特に暑い季節には、小さな水場が命綱となることもあります。
- 浅い器を使う: 深さのない浅いお皿や植木鉢の受け皿に水を張るだけでも十分です。石などを置いておくと、虫が溺れるのを防ぎつつ、止まり木になります。
- 清潔に保つ: 蚊の発生を防ぐため、水はこまめに取り替えて清潔に保つことが大切です。
3. 子供と一緒に観察を楽しむ
ベランダにやってくる生き物を子供と一緒に観察することは、SDGsを学ぶ貴重な機会になります。
- 図鑑や観察ノートを用意: どんな虫が来たのか、どんな鳥が水を飲みに来たのか、一緒に調べてノートにまとめると、子供の興味を引くことができます。
- 命の大切さを伝える: 「この花は、ハチさんにご飯をあげるために育てているんだよ」「鳥さんが喉が渇かないように、お水を置いてあげようね」など、ベランダの生き物との関わりを通じて、自然や命の大切さを伝えることができます。
- 五感を使う: 花の香りを楽しんだり、葉っぱの形を観察したり、土の感触を味わったりと、五感を使ってベランダの自然を感じることは、豊かな感性を育むことにもつながります。
無理なく続けるためのヒント
「全部やろう!」と気負う必要はありません。まずは一つ、気になったことから始めてみましょう。
- 小さなスペースから: プランター一つから始めてみる、水飲み場だけ置いてみるなど、できる範囲で大丈夫です。
- 楽しみながら: 「どんな生き物が来てくれるかな?」とワクワクする気持ちを大切にしてください。完璧を目指すよりも、日々の小さな変化を楽しむことが継続の秘訣です。
- 節約にもつながる視点: 自分で育てたハーブや野菜は、食費の節約にもなります。また、化学農薬を使わない選択は、家計にも環境にも優しい選択と言えるでしょう。
まとめ
ベランダという小さな空間も、使い方一つで身近な自然の一部となり、そこに暮らす生き物たちを支える場所になります。それは、地球全体の生態系を守るというSDGsの大きな目標につながる、私たち一人ひとりにできる大切なアクションです。
日々の忙しさの中で、少し立ち止まってベランダの小さな自然に目を向けてみませんか。きっと新しい発見があり、心穏やかな時間を持つことができるはずです。そして、その小さなアクションが、未来の豊かな自然へと繋がっていくことを感じていただければ幸いです。